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感情と理性が対立してしまう謎

激情が理性を凌駕してしまう。

これは人間の脳の基本構造に由来します。

そもそも、私たちが普段から意識している「心」とは脳の機能の一部です。

 

脳の進化の歴史

何百万年に渡る進化の歴史の中で、脳は建て増しする形で発達してきました。

大まかに、脳幹(生命維持機能)→大脳辺縁系(感情機能)→大脳新皮質(思考機能)という順番で脳が進化していきました。

 

このように、思考する脳が生まれる何百年も前から、感情機能の脳は存在していました。

そのため、感情機能を持つ脳は、思考機能を持つ脳に対してあちらこちらにつながる無数の回路を持っています。

このような神経回路の構造から、感情(情動)は脳全体の働きに対して、とてつもなく強い影響力と決定権をもっているのです。

普段の私たちの脳は、感情機能を持つ脳と思考機能を持つ脳で、両者でバランスを取りながら理性的に考え行動をしています。

しかし、何か緊急事態が起きた時など、強い情動が起こると両者のバランスが崩れてしまいます。

先述した脳の神経回路の構造から、感情機能を持つ脳がすべての脳の機能を圧倒してしまいます。よって、知性が反応するより一足早くに感情面が反応してしまいます。

 

よく間違いを犯してしまう感情的な反応

この一足早い反応を起こしているのが、扁桃核という機能です。

扁桃核は感情機能の脳の中にあり、情動(感情)と結びついた記憶が貯蔵されています。何か緊急事態が起きた時など、強い情動が起こると、目の前の事象を過去に起こった事例とひとつずつ照合していきます。

しかし、ほんの一部しか共通点のない似たような事例と少しでも一致すると、脳裏に刻んだ思考や感情、反応をもとにして、これだととすぐに結論づけてしまいます。

完全に確認する前に反応してしまうので、よく間違いを起こすと言われています。

これは生後間もないときの反応も基にしていると言われており、幼少期の出来事がそのあとの思考に影響をもたらしているという考え方もあります。

通常は、思考機能を持つ脳が、何層もの神経回路を通じて情報を分析、認識し、理性的な(一般的に正しいとされる)反応をしています。

 

まとめ

これらの脳=心の働きから、感情と知性のバランスがいかに私たちの生活の中で大事であるかが理解できます。 

人間関係や仕事、健康、自己成長など、生き生きとした人生をおくるためのヒントが見てきます。

自分の感情を自覚し、感情をコントロールし、失敗してもあきらめずやり遂げる、他人の気持ちを思いやるなど、いわゆる「心の知能」を向上させることも大切ではないでしょうか。

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